今の世界に共同所有貨幣制度を提示する意味
今の世界に共同所有貨幣制度を提示する意味について、考えてみたいと思います。
今の世界は、利益を中心として動いています。国も企業体も利益がプラスになる方向へ動くという動力学の中に存在していると言ってよいと思います。
こういう中で、この共同所有貨幣制度がどういう意味を持つのかを考えてみますと、よくわからないというのが正直なところかもしれません。
まず、銀行のシステムを変えるというのは一番難しい問題でしょう。銀行を支配している人々が必要としなければ、これを変えることはできません。
それから、これが変わったとして、世界が平和になるかというと、これも疑問です。各国は、自由にお金を使うことが出来るようになりますが、これをどのように使ってくれるか、わかりません。一部の人が利益を欲しいままにするだけになるかもしれませんし、国家どうしの利益を巡る争いがますます先鋭化するかもしれません。
庶民の暮らしが豊かになるのは、これらの問題が克服された後になるでしょう。
そうしますと、理想的な社会に到達するのはやはり難しいように思えます。
それで、今の世界に共同所有貨幣制度を提示する意味はどこにあるのか、ということになります。
そこで考えてみますが、今の世界の金融システムと、共同所有貨幣制度と、どちらが本然的かといいますと、共同所有貨幣制度のほうが本然的です。本然的というのは、神が創造した自然に近い、ということです。「共同所有貨幣制度をもっとわかりやすく」のページでも述べましたが、共同所有貨幣制度は人間の血液循環構造によく似ています。
今の社会が多くの問題を抱えている根本原因は、人間の発明した貨幣制度が本然的でないからだと思います。大自然がこれだけ美しい調和を保っているのに、人間社会だけがいたるところに限界を抱えているのは、これが合っていないからです。
このことは、言われてみれば、金融資本家や国家首脳の中にも、分かる人はいると思います。今の世界が本然的でない制度に従っていかざるを得ないのは、この本然の貨幣制度を知らないからです。
ですから、この共同所有貨幣制度を提示することによって、世界は、徐々に、もとの調和した姿を取り戻していくことが出来るでしょう。制度の改革のみならず、人々が求めるものも変わってくると思います。