■共同所有貨幣制度のもっとわかりやすい説明

 

共同所有貨幣制度はわかりにくい、とよく言われます。
これまでになかった制度なので、イメージがつかみにくいのだと思います。
それで、ここでは、いくつかの異なる表現の仕方をして、直感的に飲み込める試みをしてみたいと思います。

 

一つの口座

共同所有貨幣制度を一言で簡単に言えば、一つの銀行口座をみんなが使う、ということです。

 

今は、各人がそれぞれ別々に銀行口座を持っています。

 

これを、政府の銀行口座を全員が使うということです。企業も含めて全員です。
この口座にみんなが入金します。出金も今までと同じように出来ます。膨大な金額が集まってくる口座ですが、各人が出金できる金額は各人が入金した金額までで、これはいままでと変わりません。入金は政府の有価証券を買うことによってするので、入金したお金はすべて政府のお金になります。

 

政府は、この口座のお金を自由に使うことが出来ます。貧しい人や資金が至急必要なところに無償支給することが出来ます。

 

そして、そのお金は使われて、収入として得た人が銀行に入金することによって、再びこの口座に戻ってきます。

 

なぜ税金が要らなくなるのか

共同所有貨幣制度にしますと、国家の財政を支えるための税金や、税金で足りない分を穴埋めする国債の発行などが、要らなくなります。

 

今は、各人がそれぞれ別々に銀行口座を持っています。そして、国の財政に必要な分を税金として支払っています。国は、それでも足りない分を、国債を発行してまかなっています。

 

これを共同所有貨幣制度にしますと、政府の銀行口座にすべての人・法人の銀行預金が直接入ってきます。
これは、1年間の国家予算よりもはるかに大きい金額で、政府はこの口座のお金を自由に使うことが出来ますので、国債の発行はおろか、税金の徴収もまったく必要なくなります。

 

そして、財政支出したお金は使われると、収入として得た側から銀行に入金され、再びこの口座に戻ってきます。それゆえ、これは、永遠になくならない恒久財源になります。

 

血液循環と同じ

共同所有貨幣制度は、血液循環とほぼ同じ、ということになります。

 

今は、各人(法人も)がそれぞれ別々に銀行口座を持っていて、その中から税金分だけを政府に送ります。
世の中にお金が足りないところがあったとしても、政府は税金で集めた分しか送ることが出来ません。どうしても必要な場合は借金をせざるを得なくなります。
あるいは、政府は、お金が世の中の隅々にまで行き渡るように、景気をよくしよう、お金の循環をよくしよう、としますが、不景気であればあるほど、人々はお金を出そうとはしません。

 

これを、共同所有貨幣制度にしますと、政府の銀行口座に全員のお金がすべて入ってくることになります。ただし、各人は自分が入金した分はいつでも引き出すことが出来ます。

 

人体構造で言えば、政府の銀行口座は心臓にあたります。
そして、血液が足りていないところに、すみやかに血液を送ることが出来ます。体の隅々にまで血液を送ることが出来ます。人体には、普段働いていない細胞もあります。そういう細胞でも血液が送られていないと、体はどんどん壊死していってしまいます。ですから、心臓は、つねに、すべての細胞に必要な量の血液を送り続けています。そして、血液は心臓に戻ってきます。

 

共同所有貨幣制度はこの人体構造によく似ています。
共同所有貨幣制度にしますと、政府は、景気とかに関係なく、世の中の必要なところにすみやかにお金を支給することが出来ます。補修や維持が必要な公共施設、利益に結びつきにくい伝統芸能の継承、社会的弱者の支援などです。
すべての人の基本的生活を無条件に保障するベーシック・インカム(基本所得保障制度)も可能になります。そして、支給したお金はすべて政府に戻ってきます。

 

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